ちょっと不思議なことがありましてね。
日本語を教えている生徒さんが
来月、韓国に完全帰国することになりました。
福岡に住んでいるんですが
東京にたまたま来ることがあったので、ついでに会ったんです。
その生徒さんとは2年ほどオンラインレッスンをしてきて
会ったのはこれが初めてでした。
ランチして
お茶して他愛のない話をしていると
急にフッと笑って言ったんです。
先生、お母さんと話したいですか?
え?
私を通してお母さんと話すことできますが
どうですか?
待って、私の母が死んだこと話してないよね?
あああああ
またか!
というのも
私の周りには死んだ人が見えたり
死んだ人と話せたりと霊感が強い人が多い。
最初は大学時代。
私は沖縄の大学で民俗学のゼミに入っていて
卒論のために伊江島に行ったことがあります。
メンバーにNちゃんという
安室奈美恵にそっくりの可愛い子がいたんですが
伊江島に船が着いたとたん、全身に赤い発疹が出て
悪寒がすると震えだしたんです。
そのあと指導教授の判断でNちゃんは島を離れました。
あとから聞くとNちゃんのおばあちゃんは
霊媒師であるユタで有名な人だったって。
伊江島は激戦地だったからね…
そんなNちゃんと大学を卒業して
偶然会ったことがあったんです。
Nちゃんが私の耳元でこう聞きました。
ののこのお母さんが話したがってるけど
聞きたい?
いや、いい。
その時は母が死んで2,3年ほどで
まだ心の整理もついてないし
母の話題を避けていた時期でした。
母が話したいって一体何を?
闘病してるのに、余命わずかな母を放って
大阪に帰って来ないで
看病も全然しなかった親不孝な娘だって
私を責めるつもりなんだわ!
この当時の私は闘病中の母に
優しくできなかった自分を許せなかった。
今思えばたった19歳で子供だから仕方ないことなのに。
そう卑屈にとらえた私は
Nちゃんがせっかく声をかけてくれたのに断ってしまいました。
そのあとも霊感が強いという人に会うことが多々あって
お母さんと話しなよ!と言われるたびに
いや、いい。
断り続けていました。
母に叱られるのが嫌なの!
出産前にSちゃんが
今いちばん会いたい人と話せるよと声をかけてくれたんだけど
いや、いい。
そう断ったのが7年前。
出産前でそんな精神的な余裕ない!
それから双子を産んで
しばらく無かったのに
最近またこういうことが続いたので
これは母が私になんか伝えようとしてる?と思ったわけです。
母は過去の失敗や
自分がされて嫌だったこと悲しかったこと
恨み辛みをなかなか手放せない人で、
ネチネチと私に言い続けていました。
だからまだ母が私に不満を言いたいんだと
そう思った私は
母と何度か話せるチャンスがあったのに、徹底的に避けたわけです。
その話を友達の何名かにしたら
「そっち系は信じないので…」と
嫌な顔をしたのがほとんどでしたが
ちぇ、つまんないの
Yちゃんは反応が違いました。
聞けばよかったのに!
私なら聞くのになー
やだよ、叱られるに決まってんもん。
そんなこと気にもしてないよ!
お母さんはあの世で楽しい日々を送ってんだよ!
え、そうなの?
Yちゃんの話を聞いて
なるほどなーっと納得した私。
残念ながらその韓国人の生徒さんは
今週末で韓国に帰っちゃうので
すぐまた会う機会がなさそうだけど
ネチッこい母のことだから
また誰かに頼んで話すチャンスを持ってきそうです。
母よ、
そんなに私に何を言いたいの?
同時に考えちゃう。
私は母に言いたいことあるかな…
私も43歳。
母が死んだ47歳にどんどん近づき
ふと鏡に映った自分を見たら
驚くほど母に似てきました。
たまにしか母のことを思い出さなくなってたけど
こういうことがあると…ね。
あー、
やっぱり話しとけばよかったかな。
ちょっとだけ後悔。
今夜は母を想って寝るか。
おやすみなさい。
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